うつ病による身体の異常

2020年3月27日

うつ病による身体の異常

うつ病にかかると精神面だけではなく身体的にもさまざまな異常が現れます。

しかしこれらの身体的な異常はその部位の医療機関で診断を受けても原因が特定されることはなく、
原因の分からない身体の異常に苦しんでいる人は少なくないそうです。

うつ病が原因でおこる身体的異常のひとつに食欲の変化があります。

うつ病による食欲に現れる異常は食欲がなくなることもあれば食欲が増える(過食)こともあります。

特に甘いものや炭水化物などを食べたくなることが多いようです。

またうつ病によって胃腸の調子に異常をきたすことも少なくありません。

胃はストレスによっても異常をきたしやすい部分なのでうつ病でも症状の現れやすく、
便秘・下痢・吐き気・胃痛・むかつきなどの症状がでやすいようです。

うつ病による胃腸の異常は、直接胃腸を悪くしている場合とは
原因が異なるので胃薬などの薬では効果がないことが多いです。

そのほかうつ病による身体の異常としては目や耳などの機能が低下することがあります。

これはうつ病によって視覚や聴覚をコントロールしている脳の機能が
正常に働かなくなるからと言われていて、
目や耳自体が悪くなるわけではなく眼科や耳鼻科での診断では原因を特定することは難しいようです。

うつ病の症状の現れかた

うつ病によって異常をきたすのは、身体の機能の高度な部分から順に起こるといわれています。

脳の構造は生命の維持に必要な生理的機能を担っているものが中心部にあって、
人間の社会的行動や理性などといった人間ならではの新しい機能を担う部分ほど脳の外周部分にあります。脳への刺激は外周部分から影響を受けるので、うつ病のような脳にとって悪い影響も、脳の外側にある機能から順番に影響を受けるそうです。脳の外側にある機能とは、感情・計算能力や理性的な思考、その次に記憶に携わる機能があります。このことは、飲酒でも分かるように、飲酒によって脳の表層にある感情が麻痺することで理性という感情のストッパーがゆるみ、さらに酔うことで記憶があやふやになるのも脳の記憶機能を麻痺させてしまうからです。そしてさらに飲みつづけると脳の中枢が意識せずに行なっている呼吸や生命維持の機能も麻痺させてしまいます。同じように、うつ病も症状が進行していくことでこれらの機能が正常に働かなくなります。そしてうつ病が悪化して脳の中心に近づくにしたがって生命の維持に関わる部分にも影響を与えます。うつ病によって心臓や呼吸が止まったりすることはないとのことですが、うつ病によって脳の機能に障害がおこり、寝たきりになることはあるようです。

うつ病と気持ちの落ち込みの見分け方

うつ病は治療すれば治る病気なのですが、
症状の特性やうつ病に対する知識不足のため特に軽度の場合うつ病だと
自覚がないまま適切な治療を受けないでいるケースが非常に多いといわれています。

うつ病の症状が軽いうちに治療するには、
うつ病になるとどんな症状が現れるかの正しい知識をもって、
早い段階でうつ病を発見することが必要です。

うつ病と「ただ気持ちが落ち込んでいる」というのは症状は似ていますが同じではありません。

「気持ちが落ち込んでいる」状態が全てうつ病だとはいえないので、
うつ病で現れる症状との違いも覚えておくと良いと思います。

この違いを見分ける目安は「気持ちの落ち込み」によっておこる不調が2週間以上続いているか、
通常の生活や仕事に支障が出ているかどうか、
検査を受けても原因の特定できない身体の不調・症状があるかどうかの3点です。

これらに当てはまっている場合はうつ病の可能性があるといえます。

うつ病の精神面の症状には、物事を前向きにこなせない早くできない、
集中力の欠落、仕事の効率が悪化、人と接するのが辛い、人と会いたくない、
悲観的な考えが頭を離れない、などがあります。

身体面での症状には、頭痛・めまい・不眠・胃痛・食欲不振・過食・便秘・のどの渇き・
胃のむかつき・肩こり・腰痛・身体の痛み・手足のしびれ・暑くないのに汗をかく・
動機・息切れ・生理不順(女性)・性欲減退・排尿不全などがあげられます。

うつ病の診断とDCM-Ⅳ

最近ではうつ病の診断をDCM-Ⅳというマニュアルによって行われることが多くなっているそうです。

DCMとは「Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorde」の頭文字ととった略で、
日本語では「精神疾患の診断と統計の手引き」ということになります。

その第4版がDCM-Ⅳというわけです。

このDCM-Ⅳはアメリカ精神医学会が作成した精神科の診断マニュアルで、
日本の多くの精神科でも診断基準として用いられています。

このマニュアルではうつ病を症状の程度や持続している期間に応じて
重症のうつ病と軽症のうつ病の2つに分類して診断の方法を決めています。

この診断方法については、また別の機会にご紹介させていただきたいと思います。

またうつ病は性格・人間性などによって発症しやすさに差があるといわれています。

一般的にうつ病にかかりやすいと考えられているのは、
まじめで几帳面、頑張りすぎるタイプの人です。

まじめで几帳面で妥協できない、ひとつのことに固執する、頑固・柔軟性がない、
他人の評価を気にする、自分に否定的、物事の優先順位を決められない、
悲観的に考えがち、感情表現がうまくできない、自尊心が高くない、両極端の考え方をする、
ひと任せにできない、などのタイプに当てはまるひとは、
ストレスをためやすくうつ病になりやすいといわれています。

日ごろから意識するようにすることでうつ病の予防にもなると思います。

大うつ病にあてはまる症状

最近のうつ病の診断にはアメリカ精神医学会によって作成されたDCM-Ⅳという
精神科の診断手引書に基づいて行なわれることが多いのですが、
このDCM-Ⅳではうつ病は「大うつ病」と「軽症うつ病」の2種類に分類されています。

このうち大うつ病は、9項目挙げられた症状のうち5項目以上が1週間以上続いている場合に
診断されるのだそうです。

大うつ病の診断基準となる9つの項目は、

1:不安・憂鬱・イライラが一日中続く日の割合が、続かない日よりも多く、
その状態が1年以上継続している。

2:1の項目に当てはまり、さらに3~9の項目のうち2項目以上に該当し、
それが1年以上継続している。

3:食欲の増進・減退、1ヶ月で5%以上の体重の増減が、食事を制限していないのに起こる。

4:睡眠が多くなりすぎている、または十分に睡眠ができない。

5:ほとんど毎日のように焦り・苛立ちや元気がない状態が続いている。

6:気力が沸かない、疲れやすいといった症状が原因が特にないのにほぼ毎日続く。

7:自分に自信が持てない・存在価値が低く感じられる、自分が罪深いんだとほぼ毎日思っている。

8:集中力や思案する力がなくなり判断・決断する能力がない。

9:特別な理由がないのに自殺したいと思ったり、死について考えることが多くなっている。